【敏感な子供】安心感を持たせることが大切です
今日は、敏感な子供達のお話をしたいと思います。
以前のブログでも少し書きましたが、近年、ひといちばい敏感な子供(HSC)という子供たちがいることが話題になりました。
2020年9月29日放送の『グッとラック!』(TBS系)でロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが、HSP(Highly Sensitive Person=とても繊細な人)であることを語られたのが記憶にあるのではないでしょうか。
HSPは大人のことで、HSCは子供のことを言います。
このHSPやHSCの人達は人より敏感で繊細な方が多いのです。
私の受け持つクラスにもこれに当てはまる子供達がいます。
HSCについて詳しくはこちらのブログを読んでみてください。
ブログ
目次
HSCは生まれ持った神経の性質である

HSCは病気なの?と誤解をされてしまう方がいますが、そうではありません。
HSCとは、生まれ持った神経の性質(気質)であり、生まれた後から作られる性格ではないと言われています。
このような気質を持っていると、生活を送る中で、他の子には簡単に出来ることが自分自身は中々出来ないという場面がたびたびあります。
そうすると、自分は他の子と同じように出来ないダメな子なのだと、自己否定の感情を持ってしまいます。
それだけではなくて、上手に出来なかったことに対してかなり深刻に受け止めて、自分を責めてしまうこともあります。
このような敏感さの現れ方は、環境によって、大きく影響されます。
HSCの子供がいかに自己肯定感を育てながら成長していくかは、保護者や先生の関わり方が静かで穏やかな環境であることがポイントとなるのです。
【事例】周りの友達が自分のことをどのように思っているか気になるA君

緊張すると、自分の気持ちが伝えられなくなる
A君という男の子のお話です。
A君は家ではとても活発でお母さんに何でも話が出来ます。
宇宙に興味があり、将来は宇宙飛行士になるために宇宙について調べることが大好きです。
しかし、幼稚園に登園してくると、表情はいつも不安そうなのです。
年長になりたての頃は、トイレに行きたいと伝えることも緊張して言えず、泣いていることが多かったのです。
家でのギャップが凄くて、お母さんもとても悩まれていました。
なので、毎日、幼稚園での様子とお家での様子の情報を伝えあっていました。
話を聞いていると、A君は家では何でも自分の気持ちが話せるけれど、幼稚園では、伝えたくても、緊張したら声が出なくなってしまうということでした。
現在は、緊張していない時は「トイレに行ってきます。」や「○○になったよ。」など、簡単な言葉は話せるようになっています。
しかし、一度、嫌なことや悲しいことが起きてしまうと、涙が止まらなくなり、気持ちの切り替えに時間がかかってしまいます。
ある日の話です。
5人グループで活動をしている時に、突然A君が泣き出しました。
周りの友達もA君のことを何となく分かってくれていたので「A君どうしたの?」と心配そうに話しかけてくれます。
しかし、泣いている時は話すことが出来ないのでしばらくそっとしておきました。
しかし、いつまでも気持ちを切り替えることが出来ずに、その日は帰りました。
お母さんにはその日の話を伝え、家に帰ってから理由を聞いてもらいました。
すると、5人グループの活動の時に、みんなで昼休みに一緒に遊ぼうという話になったそうです。
その時に、「戦いごっこをしようね!」という話になったようです。
A君は戦いごっこが、どちらかと言うと苦手です。
周りは戦いごっこの話で盛り上がっているのに、自分が嫌だと断ったら、どのように思われるのか・・・
嫌だと言えない自分はダメな子だ・・・と感じて泣いてしまったようでした。
きっと、その場で、僕は戦いごっこが苦手だから違う遊びがいいなと言ったとしても、周りの子供達は、他の遊びを提案してくれたと思います。
しかし、HSCの子供達は、周りがどのように思うのかがとても気になってしまうのです。
そして出来ない自分はダメな子なのだと自己否定してしまいがちになります。
私達、保育者や保護者は、嫌なことは嫌だと言っても大丈夫であることや、そういったことを言うことで、周りの友達も嫌いにならないから大丈夫だよと安心させてあげることが重要になります。
子供達にA君のことを話してみる
A君は、周りの友達より、私が思っている以上に、敏感で繊細であることがわかりました。
A君がどうして泣いてしまうのかを、クラスの子供達に伝えるかとても悩みました。
A君のことをみんなの前で話をすることで、A君に注目が浴びてしまうことがA君にとってよいのか・・・
お母さんと相談した結果、A君は自分が泣いてしまう理由をみんなに伝えて欲しいということでした。
そして、泣いている時にみんなから気にかけてもらえることは嬉しいから、これからもそうして欲しいということでした。
これらを、私もクラスの子供達に伝えました。
すると子供達も、スッとA君の思いを受け止めてくれたのです。
A君の表情もとても穏やかでした。
私自身もあれこれ考えずに、シンプルに子供達にA君のことを伝えて良かったと感じました。
その後のA君

その後のA君ですが、いつも一人でウロウロしていたのが、友達と一緒に遊ぶ姿が少しずつ見られるようになりました(^^)
もともと、A君と仲良くしてみたかったB君という男の子がA君に声を掛けて、外でいっしょに遊具で遊んでいる姿を見て、私も嬉しくなりました。
これからもA君の様子を見守りたいと思います。
☆おわりに☆

いかがでしたか。
今回はA君という男の子の事例で、敏感な子供のお話をしました。
敏感な子供達は沢山います。
現在は5人に1人がHSCだとも言われています。
精神科医の明橋大二先生は、お母さんが我が子は、人より敏感な子供かもしれないと思えば、その子はHSCであると言っています。
HSCは病気ではなく、その子の生まれ持った気質です。
その敏感で繊細な子供達が安心して過ごせる環境にしてあげて欲しいと願います。
お勧めの本はこちらです(^^)☆
HSPのことが知りたい方は、こちらもお勧めします。
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