【HSC】ひといちばい敏感な子供ってどんな子供?
HSCという言葉を聞いたことはありますか?
最近よく耳にする言葉ではないかと思います。
メディアや、SNS、本でも見かけるようになりました。
私の書いているブログの中でも、いくつか載せていて、重複してしまう箇所もありますが、最近のお話も交えてお伝えしたいと思います。
目次
HSC(Highly Sensitive Child)とは

最近登場した言葉ですが、些細なことが気になって傷つきやすく、その一方で、感性豊かで、相手のことを考え、気持ちが優しい特性を持つ人達のことを言います。
現在、HSCは5人に1人がこの気質の持ち主であると言われています。
そして、HSCの子供達はとても繊細で敏感です。
HSCの子供には4つの性質があると言われています。
HSCの4つの性質

HSCの他にHSPという言葉があります。
HSPというのは、Highly Sensitive Personといって、HSCの子供が大人になった時のことを示します。
HSPは、1966年にアメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士が発表した概念です。
生まれつき、とても敏感な感覚や感受性を持った人達のことを言います。
最近では、ロンドンブーツの淳さんやベッキーさんが、自分はHSPであるとSNSでつぶやかれていましたね。
HSCはその子供版になります。
アーロン博士の著書『ひといちばい敏感な子』を心療内科の明橋大二先生が翻訳したことで、ここ数年で、日本でもHSCの概念が広まりました。
HSCには、主に4つの性質があります
Depth(深く考える)
・察しが良い
・じっくり考えるため慎重になる
・物事の本質を突く発言をする
普通の子供であれば、突発的に喜んだり行動したりすることであっても、HSCの子供は身長に観察をします。
そして、よく考えてから行動に移します。
初対面のどの時には、遠慮がちであったり、行動するのに時間がかかったりします。
物事を深く考えるので、年齢の割には大人びた発言をすることがあります。
また、深い問いかけをすることもあります。
人生の意味について考える傾向があると言われています。
Overstimulation(過剰にしげきを受けやすい)
・大きな音や光が苦手
・痛みや暑さに敏感である
・楽しい場面でもすぐに疲れる
音や光、暑さや寒さ、濡れた服や泥で汚れた服、チクチクした感覚など、細かい刺激に反応してしまい、嫌がります。
恐怖心も強いので、子供に対して、怒ったり、罰を与えたりするよりも、穏やかに言い聞かせる方が、HSCの子供には効果があります。
緊張しやすくて、人前での発表が苦手です。
楽しみにしていたイベントなどでも事前に興奮しすぎて、本番では疲れてしまうこともあります。
Empathy&Emotional(共感力が高く、感情豊か)
・人の痛みを自分のことのように感じる
・動植物の気持ちに寄り添う
・残酷な映画やドラマが苦手
人の心を読んで、共感することが非常に得意である。
自分以外の人の喜びや辛さをまるで自分のことのように捉えて、感じてしまいます。
時に、動物や植物とも心を通わせるようなところも見られます。
残酷な映画のシーンが苦手であることも多いです。
また、悪いことや不公平なことが許せない完璧主義な一面も見られます。
Subtlety(わずかな刺激を察知する)
・髪型や服装の変化に敏感
・小さな音やかすかな匂いに気づく
・少しの刺激で頭痛や腹痛をおこす
他の人だと気が付かないほど、かすかな音や匂い、場所の変化に気がつきます。
また、表情や声色から、その人の機嫌や体調まで瞬時に察知してしまいます。
他の人だけでなく、自分の体内の刺激にも敏感であることが多く、薬が効きやすかったり、少しの刺激で体のあちこちが痛くなることがあります。
時には、地震が来るのを察知することさえあると言われています。
4つの性質の話をしましたがいかがでしたか?
子供に当てはまる!と思われた項目はありましたか。
HSCは、国籍・性別問わず5人に1人の割合でいると言われています。
一説では、このような敏感さは種の存続のために必要であるとも言われています。
なので、動物にもみられ、これらは生まれ持った気質であり、病気でも障害でもなく、治す必要もないと言われています。
【実例】敏感な子供達

実際のHSCの子供達ってどんな子供なの?
我が子はもしかしてHSCなの?
と悩まれている方も中にはいらっしゃるかと思います。
ここでは、現在の私の受け持つクラスでのお話をしたいと思います。
現在、5歳児クラスを受け持っていて、やはり自分の子はHSCなのではないかと悩まれているお母さん方がいらっしゃいます。
明橋先生の著書の中でのHSCの定義は、親が我が子は、ひといちばい敏感であると感じるのであれば、その子はHSCであると言われています。
保護者の方とお話する機会もあり、子供のことでうちの子はHSCかもしれないと思われているこの実例をあげたいと思います。
周りのことがとても気になるAちゃん
Aちゃんは、とても人見知りな子です。
進級当初はほとんど話をしてくれませんでした。
周りのことをとてもよく観察している子です。
話をしたかと思えば、とてもぶっきらぼうで、少し冷たい印象が残る感じです。
しかし、Aちゃんと毎日過ごしていく中で、とても繊細な子供であることがわかりました。
ちょっとしたことで傷ついてしまうのです。ぶっきらぼうなものの言い方は、自分が傷つきたくないから、そういった行動に出てしまうように思えます。
しかし、お母さんや担任である私が、Aちゃんのことを理解してあがられていても、Aちゃんのことを良く知らない人が目にすると、驚かれてしまうことがあるのです。
そこで、更に、人より傷ついてしまうことがあるので、Aちゃんには相手に対して言葉の伝え方などを話しています。
また、自分から困っていることを伝えることが苦手で、黙り込んでしまうこともあります。
周りからすると、えっ!そんなこと相談すればいいのに・・・と思うようなことでも、HSCの子供にはそれがとても不安に感じてしまいます。
失敗に対して、とても敏感なBくん
Bくんは、家では明るく活発で、お喋りです。
しかし、幼稚園に来ると、話が出来なくなります。
自分が話をすることで周りにどのように思われるのか不安で話が出来なくなります。
そして不安な気持ちがピークになると泣いてしまい、気持ちが切り替えられるまでずっと泣いています。
また、給食の時間に何か不安なことや嫌なことがあると、泣いて給食を食べずに帰ることもあります。
家に帰ってお母さんが理由を聞くと、とても些細なことなのですが、Bくんにとっては、泣いて給食が食べられないほど不安な出来事なのです。
1学期の間は、泣いているか黙っているかのB君しか私は見ていなかったので、家ではお喋りで、外で元気いっぱいに遊んでいると、お母さんから聞いても信じられませんでした。
お母さんと連携を取りながら、B君が安心して園生活が送られるようにしてきました。
すると、段々と幼稚園という場所で安心出来るようになり、今では、気持ちがのっている時は、気の合う友達とおしゃべりしたり、遊ぶことが出来るようになってきました。
しかし、みんなの前で何か発言する、発表するということは不安に思うようで、無理のないように過ごしています。
☆おわりに☆

いかがでしたか?
HSCといっても、全員が全員全て当てはまるということはありません。
人の感情や気分、音や光、場の雰囲気など、どこに敏感なのか、強く反応するのは、それぞれの子供達によって異なっています。
また、引っ込み思案が多いと言われているHSCですが、好奇心が旺盛な子も30%ほどいるとも言われ、個性に幅があります。
専門家も先生によると、どちらにしても親が不安になる必要はないと言われています。
何故かと言うと、HSCの子供の多くは、優しく思いやりのある思慮深い子が多いからです。
感受性が強くて敏感なおとは、本来では何も悪いことではないからです。
小さいうちは、よく泣いたり、疲れて癇癪を起こしたりするかもしれませんが、それは子供が自分の気持ちを家庭の中で安心して出せている証拠なのです。
どうしても気になる場合は、専門の心理士の先生に相談するのも一案です。
1人で悩まないで、周りの人や、幼稚園、保育園の先生にも相談して力になってもらってくださいね。
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