【こだわりの強い子供】こだわりの強さは心の安定に繋がる
今回はこだわりの強い子供のお話をしたいと思います。
子供が大人になった時、自立出来るように自由に生きる力を育てることはとても大切です。
そんな自由に生きる力を育てるのに必要なのが、強いこだわりを持つことでもあります。
この強いこだわりを持つ時期は、モンテッソーリ教育では敏感期と呼ばれています。
いきなり、モンテッソーリ教育の敏感期という言葉が出てきて何故?
と思われるかもしれませんが、このモンテッソーリ教育の敏感期の考え方はとてもわかりやすいです。
一見、こだわりが強くて疲れるなあ・・・
そんなにこだわり持たなくても・・・と大人側は思うかもしれませんが、子供にとっては大切なことなので、成長段階で必ずあります。
イヤイヤ期とも被るのでわかりにくいかもしれませんが、そのあたりをお伝えしていきたいと思います!
目次
敏感期とは?
敏感期という言葉はあまり耳慣れない言葉ではないでしょうか?
私も大学時代に、幼児教育でモンテッソーリ教育を学んだ時に初めて聞いた言葉です。
敏感期とは、「これがしたい!」と強く思う気持ちがあらわれる時期のことです。
モンテッソーリ教育では、この敏感期の子供の邪魔をしないで、心ゆくまで打ち込ませてあげることが大切であると言われています。
何に対して、いつ敏感期が始まるのかは、一人一人、違っています。
崩れない泥団子を作るために、朝から晩まで砂場で試行錯誤する子もいれば、お兄ちゃんが鉄棒で逆上がりしているのを見て、自分も出来るようになろうと、毎日練習をする子もいます。
またある子供は、折り紙の鶴の折り方を教えてもらって、その日から何週間も鶴を折り続けます。
このように、何時間でも何日でも同じことを繰り返すことで、自分の中で心ゆくまで打ち込んで、達成して、満足します。
満足が出来たら、また別の敏感期に入っていき、子供達は、一人一人違う敏感期を持っています。
敏感期とは、何かに対して強いこだわりを見せる時期のことです。
これは、真っすぐ成長して、その分野の力を伸ばすために必要なことで、人間の基礎をつくる大事な時期なのです。
なので、子供の欲求を気持ちよく認めてあげて、その強いこだわりを我がままと捉えないで欲しいと思います。
また、敏感期の中にも、秩序の敏感期というものがあります。
秩序の敏感期
秩序の敏感期とは簡単に言うと、いつもと同じが良いという思いが強い時期のことです。
この秩序の敏感期というのはだいたい生後6カ月~3歳くらいに強く現れると言われています。
大人の私達でも、駅までの道のりはいつもと同じ道順がいい、決まった場所に物を置かないと落ち着かない・・・などちょっとしたこだわりがあったりしませんか?
そういった、いつもと同じがいいというこだわりが強く出る時期が、秩序の敏感期と言われています。
それは、順序であったり、所有であったり、場所であったりと子供によって何に対してこだわりが出るかは違ってきます。
順序の例として、いつもと同じ道順で幼稚園へ行きたい、所有の例として、毎日お気に入りの赤い服が着たい、場所の例として、絵本はいつも同じ場所にしまっておきたいなどです。
この秩序の敏感期とイヤイヤ期の時期が重なっているので、見分け方が難しいかもしれませんが、成長過程ではしっかりと育っている証拠なので不安にならなくて大丈夫です。
子供が秩序にこだわる理由
子供には、秩序の敏感期があるとお話しましたが、なぜ子供は秩序にこだわるのかな?と思いませんか?
それは、子供たちにとって、いつも同じであるということは安心に繋がるからです。
子供達はこの世に生まれてまだ数年で、この世界についてまだよくわかっていません。
私達大人もそうですが、ルールがわからない場所で生活するのは不安ですよね。
そういった中で拠り所になるのが秩序(いつもと同じでかわらない安心出来るもの)なのです。
なので、秩序の敏感期にいる子供達は、いつもと違うと不安になってしまって、泣いたり、不機嫌になったりするのです。
そんな時に大人達が子供には秩序の敏感期があるということを知っていると、今はいつもと違うから不安になっているのだな、いつもと同じようにしてみようと、考えることができ、関わり方も変わっていきます。
このこだわりの強さを子供の我がままだから、今のうちに我慢させなければいけないと思わなくても大丈夫なのです。
反対に、子供の秩序を意識して大切にしてあげて下さいね。
秩序を守ることで落ち着きと論理的思考を手にいれることができる
子供にとって秩序を守るということが大切であるということを伝えてきましたが、それは、落ち着きや論理的思考が身に付くからです。
その理由をお伝えしていきますね。
まず、落ち着きを手に入れられるというのは、秩序を守ることで子供は安心感を持ちます。
その安心感は、子供の落ち着いた心を作っていくことが出来、不機嫌になったり、すぐに起こって泣くということが減っていき、落ち着いて生活を送ることが出来ます。
反対に、いつものところに同じものがない・・・これから何が始まるのかわからない・・・といった環境であると、心が不安定な状態が続き、落ち着くことが出来ないのです。
そして次に論理的思考を手に入れられるということですが、いつもと同じという外的な秩序があると、子供は自分の中に内的な秩序を作っていくことが出来るようになります。
それは、頭の中で、整理することや順序立てて考えること、論理的な考え方に繋がっていくのです。
論的に考えられるようになると、数の理解や言葉の理解も出来るようになっていきます。
ここで一つの事例で秩序の敏感期にあるA君のお話をしたいと思います。
【事例】毎日上下赤い服を着るA君
これは私が保育園で、働いていた時の話です。
保育園は私服登園なので、毎日私服で子供達は保育園に来ます。
2歳児クラスでの話ですが、A君という男の子がいました。
A君は毎日上下赤の服で登園してきます。
靴も靴下も赤です。
大人からすると、「えっ!?なんでそんな変な恰好するの!?」と言いたくなりますが、決してそのような反応はしないであげて下さい。
子供にとってこれは、同じ服を毎日着ようとする習慣にこだわる敏感期なのです。
子供は同じことを同じようにするという習慣の力を身に着けようとしているだけでなく、この洋服選びにおいて選択する力も磨いているのです。
自分のこだわりで、きちんと洋服を選んでいるのです。
A君は外遊びでその上下赤色の服が汚れて着替えないといけなくなった時も、着替えの服が赤色ではなかったので、頑なに拒否しました(^-^;
どうしても赤い服が良いというこだわりだったので、その日は汚れた赤い服を一日中着ていました。
そのことがあってから、お母さんも着替えの洋服も赤に統一して、しばらく赤色のこだわりが続いたA君でした。
敏感期が過ぎたら、赤へのこだわりが無くなり、色々な色の洋服が着られるようになりましたよ(^^)
「わがまま」と決めつけるのはちょっと待って!
このように、敏感期には色々なものがあります。
赤いものが良い、鶴を折ることにこだわっているなどは、個人のことなので、見守りやすいかと思います。
しかし、よくお母さん方が悩まれるのは、独り占めに関しての強いこだわりではないでしょうか。
子供達は独り占めという行為を通して、所有という概念を学んでいます。
なので、子供がおもちゃや何かを独り占めしていたら、「まだ、使いたいんだね。」と、まずはその気持ちを認めてあげて下さい。
気持ちを認めてあげたうえで、どうしても友達に貸してあげなければいけない時は、子供に決めさせるようにして下さい。
「○○くんも遊びたいみたいだから、どれなら貸せるかな?」
「3つあるから、1つ貸してあげようか?」
など聞いてあげてみて下さい。
大切なのは、子供のことを【わがまま】と決めつけないことです。
決めつけてしまうと、大切なことを見落としてしまいます。
☆おわりに☆
いかがでしたか?
子供の敏感期は本能とも言われます。
何かに対して強いこだわりを持つということは、成長するうえで、不可欠な行動なのです。
この行動が年齢的にもイヤイヤ期とかぶってしまうので、ただイヤイヤしているのかな?と思って、仕方がないとあきらめてしまうこともあるかもしれませんが、意外にただいつもと同じがいい!ということがわかりました。
子供達は、この敏感期に、一生懸命、将来の才能や人間関係、社会性などに関わる基礎をつくっています。
それらを叱ったり、やめさせたりしないで、いつもと同じを心がけてみて下さい。
しかし、時にはどうしようもない時もあるかと思います。
そんな時、秩序のことを知っていると、少し子供と心穏やかに関わることが出来るのではないかと思います(^^)
秩序の敏感期のあいだに落ち着きと論理的思考を身に付けていきたいですね☆
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